Washington, United States, page #16,354

パルース()は、アメリカ合衆国北西部のワシントン州南東部、アイダホ州北中部、および定義によってはオレゴン州の北東部にまで拡がる地形の名称である。主要な農業地帯であり、小麦や豆類を生産している。オレゴン・トレイルの北約160マイル (250 km) に位置し、19世紀後半に開拓入植地として急成長、短い一時期にはワシントン州のピュージェット湾周辺の人口を超えていたこともあった。1890年代初期には公有地供与の制度を元に、アイダホ大学(アイダホ州モスコー)およびワシントン州立大学(ワシントン州プルマン)が州境を挟んで開設された。両校はわずか8マイル (13 km) の距離にあって現代に至るまで交流は深い。歴史パルースという言葉の起源は不明である。ある説ではパルース族インディアン(綴りは"Palus"、昔は"Palloatpallah"、"Pelusha"などとも呼ばれた)の名称がフランス系カナダ人の毛皮交易業者によって、より親しみのあるフランス語「ペルース」("pelouse"、「丈の低く密な草あるいは芝のある土地」という意味)に転換されたというものである。時をへて綴りが"Palouse"に変化してきた。別の説では当初その地域を表すフランス語だったものが、土地に住むインディアンの呼称に当てられたというものである。伝統的にパルース地域は、ワラワラ地方とを分けるスネーク川の北、カマス・プレーリーとを分けるクリアウォーター川の北、ワシントン州とアイダホ州の州境にそって北に伸び、スポケーン市より南で、パルース川を中心とする地域にある肥沃な丘とプレーリー(草原)として定義されてきた。この地域は、当初スネーク川の南のワラワラ地方で開拓されたワシントン州南東部の大規模な小麦栽培地の一部として、1880年代に入植と小麦生産が進んだものである。地理パルースに関する上の定義が今日も残っているが、小麦生産地域の全体、すなわちワラワラ地方、アイダホ州のカマス・プレーリー、コロンビア川台地中央のビッグベンド地域、その他ワシントン州アソティン郡やオレゴン州ユマティラ郡のような小規模の農業地帯まで含めて使われることがある。このような広義の定義は、パルース草原生態域を広く定義する世界自然保護基金のような団体が使っている。. [read more]