Arizona, United States, page #12,881

グランドキャニオン空中衝突事故は、1956年にアメリカ合衆国で発生した旅客機同士による航空事故(空中衝突)である。事故の要因として、有視界飛行や航空管制の不備が指摘されたため、航空行政の改善の契機となった。事故の概要1956年6月30日の土曜日の朝、アメリカ西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルスから、2機のレシプロ大型4発旅客機が東に向けて飛行していた。トランスワールド航空(以下TWA)2便はミズーリ州カンザスシティ行きであり、ロッキードL1049スーパーコンステレーション(機体記号:N6902C、愛称:Star of the Seine)で運航されていた。もう一機のユナイテッド航空718便(以下UA)はイリノイ州シカゴ(ミッドウェー空港)行きであり、ダグラス DC-7(機体記号:N6324C、愛称:Mainliner Vancouver)で運航されていた。TWA2便は、乗員6名と、乗客64名が搭乗して、31分遅れの午前9時01分(アメリカ西部夏時間、以下同じ)に離陸し、カリフォルニア州ダゲットを経由しコロラド州トリニダードに向けて飛行していた。続いてUA718便も、午前9時4分に乗員5名と乗客53名が搭乗して離陸し、カリフォルニア州パームスプリングスを通過後、カリフォルニア州ニードルズ、ペインテッド・デザート(ユタ州ブライス・キャニオンとアリゾナ州ウィンズロウのVORを結んだ通過線)、コロラド州デュランゴなどを経由しミズーリ州セントジョセフに向かって高度21,000フィートで飛行していた。事前に提出されていたフライトプランでは、TWA機の巡航速度は500km/h(270ノット)、UA機は530km/h(288ノット)であり、後から離陸したUA機の方が速かったが、いずれも計器飛行であり、許可された巡航高度も航空路も違っていたため、フライトプラン通りであれば、衝突する危険性は無かった。. [read more]