Real Estate Agency - United States, page #13,079

シーグラム・ビルディングは、ニューヨークのミッドタウン、52丁目と53丁目の間のパーク街375号にある超高層建築物である。1958年に、シーグラムのアメリカ本社ビルとして、ミース・ファン・デル・ローエとフィリップ・ジョンソンの設計によって建設された。38階建てで、高さは156. 97メートルである。アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。概要当時のシーグラム社長サミュエル・ブロンフマンがニューヨークに本社ビルを計画した際、ニューヨークの名門建築事務所カーン&ヤコブスに設計を一任した。しかし、その計画案は当時ニューヨークに敷かれていたゾーニング法によってセットバックを多用した他のビルと代わり映えしなかった。これに異を唱えたのがブロンフマンの娘でイエール大学で建築学を学んだフィリス・ブロンフマン・ランバートである。欧州滞在中だった彼女はこの計画を知ると急遽帰国し、父親に計画の保留を訴えた上、自分で建築家を選ぶことにした。のちに彼女は新社屋の企画責任者として計画の全行程を取り仕切ることになる。建築家の選定を委任されたランバートは、「二ヶ月半に及ぶ探索の間に、現代を洞察して技術を詩にまで高めた人物こそミース・ファン・デル・ローエであることがますます明瞭になった。」と結論づけた。フランク・ロイド・ライトは素晴らしいが思潮錯誤であり、ル・コルビュジエはアメリカに大きな影響を与えることができなかったと評定を下した結果だった。当時ニューヨーク州で建築家として登録していなかったミースは、このビルためにフィリップ・ジョンソンに協力を要請した。セットバックを避けるために敷地の半分をオープンスペース"プラザ"として開放し、ブロンズのフレームとトパーズグレイのガラスで構成されたシンプルなガラスの塔がすっくりと建つ姿は、当時の建築界だけでなく社会にも大きなインパクトを与えた。このシーグラム・ビルディングのプラザは都市における建築の在り方に多大な影響を与え、1961年にはニューヨークの地域指定条例が改正され、それまでの斜線規制から容積規制へと建築規制を変えさせる契機を作りだした。. [read more]