アストロドーム(Astrodome)は、アメリカ合衆国のテキサス州ヒューストンにある、世界初のドーム球場。MLBヒューストン・アストロズのフランチャイズとして使用されることを目的に1965年に建設された。1968年からはNFLヒューストン・オイラーズ(現テネシー・タイタンズ)もこの球場を本拠地にした。当時のアストロズのオーナーのロイ・ホフハインツは、古代の地中海世界にあった7つの驚異的建造物を指す「世界7不思議」を意識して、「世界8番目の不思議」と形容するほど、当時としては画期的な球場だった。球場所有者のハリス郡に支払う高額の使用料が「世界9番目の不思議」とアストロズ側に揶揄されたことがある。2001年にリライアント・エナジーが命名権を買収し、「リライアント・アストロドーム」に改名したが、「アストロドーム」と呼ばれていた。2014年1月15日、歴史登録財に登録された。球場の歴史MLBでは1962年シーズンからヒューストンに「ヒューストン・コルトフォーティーファイブス(45s)」というチームが誕生しナショナルリーグに参加していたが、当地の気温が非常に高く降水量も多いという気候の問題や、夏場の蚊の大量発生などから「より快適な環境で試合を」という考えのもと、1965年に世界初のドーム球場を建設。宇宙基地があることから球場名も「アストロドーム」と命名され、チーム名もこれに合わせて「ヒューストン・アストロズ」に変更したという経緯がある。屋根の高さは、ベーブ・ルースが打ったとされる史上もっとも高いフライから、208フィート(約63.4メートル)になった。建設途中では当時メジャーリーグ一のノッカーと言われたフィリーズのローバックコーチが何度もノックを打ち上げ、打球が天井にぶつからないか入念にテストした。当初は自然光を取り入れられるように、屋根には4000枚以上の透光性パネルを使用し、天然芝が敷かれた。しかし、特にデーゲームの際に太陽光が守備をする選手の視線を遮る恐れがあるということで、急遽屋根をアクリル製に変えた。すると、今度は天然芝が枯れてしまう被害がでてしまった。そこで繊維を利用した人工芝を世界で初めて開発し、それを「アストロターフ」と命名。以後世界各地のスポーツ施設に採用されるようになった。
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