Veneto, Italy, page #7,012

ヴィラ・アルメリコ・カプラ(Villa Almerico-Capra)は、アンドレーア・パッラーディオが設計したルネサンス期のヴィラで、北イタリアのヴィチェンツァ郊外にある。ヴィラ・カプラ、ラ・ロトンダ (La Rotonda)、ヴィラ・ロトンダ、ヴィラ・ラ・ロトンダ、ヴィラ・アルメリコなどとも呼ばれる。"Capra" とは、1591年にこの建物を譲渡され完成させたカプラ兄弟に由来する。この建物も含め、ヴィチェンツァとその周辺のパッラーディオの作品は「ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の邸宅群」として世界遺産に登録されている。1565年、司祭パオロ・アルメリコがローマ教皇庁から引退する際(ピウス4世とピウス5世の秘書を務めていた)、生まれ故郷のヴェネト州ヴィチェンツァに家を建てて移り住むことを決めた。この家が後に「ラ・ロトンダ」と呼ばれ、パッラーディオの傑作のひとつとされるようになった。ヴィラ・カプラは多くの建築に影響を与えたが、このヴィラ自体はローマのパンテオンの影響を受けている。設計建設地はヴィチェンツァ郊外の丘の上とされた。パッラーディオ主義の他のヴィラのいくつかとは異なり、この建物は最初から農場用ではない。この洗練された建物は今で言う「郊外住宅 (suburban house)」として設計された。パッラーディオ自身はこれをヴィラではなくパラッツォ(宮殿)に分類している。四方にファサードがある正方形の完全な対称形の建物であり、それぞれのファサードにポルチコがある。建物の四隅と各ポルチコの中心を通るように円を描くと、建物のほぼ全てがその中に納まるようになっている(左の平面図参照)。ラ・ロトンダという名称は中央の円形のホールとその上のドームに由来する。このヴィラ全体を表現するなら、ロタンダ(rotunda = rotonda)は技術的には不正確である。何故ならこの建物は円形ではなく、正方形と十字を組み合わせた形だからである。ポルチコの前には階段があり、そこから中に入ると小さな部屋または廊下を通って中央にあるドームつきの円形ホールに出る。全ての部屋の寸法はパッラーディオが『建築四書』 (I Quattro Libri dell'Architettura) に記した建築法則にしたがって精密に計算されている。. [read more]