Uncategorized - Cyprus, page #1,610

トロードス地方の壁画聖堂群は、キプロスの世界遺産の一つである。トロードス山脈に残るギリシャ正教の9ないし11(後述)の聖堂と1つの修道院が対象となっている。いずれの聖堂・修道院も、ビザンティン様式の美しいフレスコ画が残っていることが評価されたものである。聖堂内部を埋め尽くすかのように、壁や天井に描かれたそれらの壁画は、コムネノス朝時代からビザンティン帝国滅亡後に至るまで、長い期間に蓄積されてきたものである。登録対象はトロードス山脈に点在し、地方行政区分上はパフォス地区、ニコシア地区、リマーソル地区にまたがっている。登録対象屋根の聖ニコラオス聖堂(Church of Ayios Nikolaos tis Steyis, 世界遺産登録 ID351-001)カコペトゥリア(Kakopetria)の近郊にある聖堂で、もとは11世紀に建てられたものである。名称に「屋根」とついているのは、12世紀に付け加えられた玄関廊の切り妻屋根が印象的であることによる。この聖堂に残る主なフレスコ画は以下の通りである。 セパステの40人の殉教者 最後の審判 正教会の十二大祭を描いたものの一部(主の顕栄、ラザリの蘇生など) 蝋燭の聖イオアン修道院(Ayios Ionannis Lambadhistis Monastery, ID351-002)カロパナヨティス村(Kalopanayiotis)にある修道院で、フレスコ画の残る3つの付属聖堂を持っている。一番南に位置しているのが聖イラクリディオス聖堂で、以下のフレスコ画がある。 13世紀前半の東洋的な影響が読み取れるもの。 14世紀の後期ビザンティン様式に属する『新約聖書』に題材を採った30の場面。一番北にあるのがラテン式聖堂で、アカティストゥス讃歌第24節を描いた1500年頃のフレスコ画がある。それらの間にあるのが聖イオアニス・ランパディスティス聖堂であるが、同時期のフレスコ画は残っておらず、現存しているのは18世紀に復元されたものだけである。. [read more]