Nord-Kivu, DR Congo, page #30

ヴィルンガ国立公園(-こくりつこうえん)は、コンゴ民主共和国の北東部の北キヴ州、ルワンダやウガンダの国境近くにある多様な動物相を誇る国立公園である。1925年創設のコンゴ民主共和国で最古の国立公園である。多様な動物相の中でも、特にマウンテンゴリラとカバの生息地として研究対象にもなっていたのだが、隣国ルワンダの内戦で発生した難民の大量流入などで環境が悪化し、混乱のなかで多数のカバやゴリラが殺された。さらに違法な木炭売買がゴリラの虐殺に拍車をかけており、2008年には公園のレンジャーによってマウンテンゴリラが虐殺される事件が発覚した。地理その名の通り、ヴィルンガ山地(最高峰カリシンビ山 - 標高4507メートル)から、ルウェンゾリ山地に伸びている区域である(ちなみにルヴェンゾリ山地ではウガンダの世界遺産であるルウェンゾリ山地国立公園と接する)。1994年には、ヴィルンガ火山群に含まれるニーラゴンゴ山が噴火した。歴史1925年に当時ベルギー領コンゴの一部だったこの地で、マウンテンゴリラの生息地の保護を目的として、ヴィルンガ火山群の一部が国立公園に指定された。その後範囲を拡張していき、現在の国立公園になった。なお、ベルギーの植民地時代には「アルバート国立公園」といった。1990年代以降は、国内外の政変から国立公園が存在する北キヴ州全域が、複数の反政府武装勢力の支配下になっており、レンジャーの派遣も武装勢力の一つである人民防衛国民会議(CNDP)の了解の下で行なわれるなど、公園の管理が難しい状況におかれている。2014年4月15日、ベルギー人であるエマニュエル・ドゥ・メロード所長が、州都のゴマからルマンガボにある自然保護協会へ移動中に襲撃を受け重傷となった。メロード所長は2014年5月22日にヴィルンガ国立公園での職務に復帰している。世界遺産登録基準危機遺産登録ルワンダ内戦の結果、難民が大量に流入することによって自然環境の汚染が進んだ。また、逃走してきた武装した兵士の中には、マウンテンゴリラやカバに対して暴力の矛先を向ける者たちも現れ、25000頭以上いたとされるカバのうち1万頭以上が殺されたと推測されている。マウンテンゴリラも約300頭(全世界の生息数の約半分)が生息していたが、少なからず犠牲になっている。. [read more]