Kabul, Afghanistan, page #141

嵐333号作戦(«Шторм-333»)とは、ソビエト連邦の特殊部隊が1979年12月27日に実施した特殊作戦である。ソ連国家保安委員会(KGB)やソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の将兵から成るソ連軍特殊部隊は、アフガニスタン民主共和国首都カーブルにある大統領官邸()を襲撃し、アフガンの最高指導者だったハフィーズッラー・アミーン革命評議会議長を暗殺した。背景1978年4月、アフガン人民民主党(PDPA)はクーデターによって革命政権を樹立した。これを以って誕生したアフガン民主共和国だったが、当初から急進派(ハルク派)と穏健派(パルチャム派)の党内対立が激しく、また改革に反対するムジャーヒディーンらの抵抗運動は全土へと拡大していた。こうした不安定な情勢の中にあって、PDPA内でもソビエト連邦による軍事介入を求める声が大きくなっていた。一方、ソ連側ではアフガンがアメリカ合衆国に接近することを危惧していた。ソ連当局ではアフガンのハフィーズッラー・アミーン議長が首相時代に在カーブルの米国公使代理と極秘会談を行ったことを察知していたほか、KGB議長のユーリ・アンドロポフはレオニード・ブレジネフ書記長に宛てた手紙の中でアミーンの政権獲得に触れ、「9月のクーデターとタラキーの死後、アフガンは我々にとって好ましくない方向へと舵を切った」と述べている。1979年12月10日、ソ連国防相ドミトリー・ウスチノフは参謀本部に対して1個空挺師団と5個輸送航空師団の展開準備を行うようにと口頭で命じ、トルキスタン軍管区に対しては所属の2個自動車化狙撃兵師団に出撃準備を取らせると共にポンツーン連隊の要員を全て動員せよと命じた。この2日後の12月12日、アフガン侵攻作戦が認可された。ソ連軍の戦力嵐333号作戦の為に、KGBアルファ部隊から24名、KGBゼニート部隊(ヴィンペル部隊の前身)から30名、空挺軍第9中隊から87名、GRU第154独立特殊任務支隊からは420名が投入されている。作戦の責任者は第154支隊長のだった。. [read more]